令和3年度 福岡大学筑紫病院 病院指標

 

 病院指標とは、DPCデータを基に厚生労働省が定めた集計条件等に沿って資料を作成するもので、市民の皆さんに情報公開を進めることにより、当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的としています。

 現在公表している病院の情報(病院指標)は、令和3年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)中に当院を退院した患者さんのデータを集計の対象として作成しています。ただし、自動車賠償責任保険や労災保険、自費、治験の実施、研究費による治療を含む等の条件に当てはまる患者さんのデータは集計対象外となります。また、来院時心肺停止を含む入院後24時間以内に死亡した患者さんのデータも集計対象外です。

 個人情報が特定できないようにするために、指標のなかで症例数が10件未満の数値は「-」と表示しています。

DPCとは

 入院患者さんを病気と治療方法によって分類し、その分類ごとに国が定めた1日当たりの入院費を包括支払いとして計算する制度です。

 

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 472 249 165 275 548 907 1390 2364 1537 411
 地域医療支援病院であり大学病院である当院は、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。特に60歳以上の患者さんの占める割合が約7割を占めており、消化器系疾患や心疾患、白内障等での入院が多くなる傾向にあります。
 平成25年度以降、年齢階級の分布に大きな変化は見られません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

 DPCでは入院患者さんの情報が病気と治療方法(手術や処置など)によって4,557種類(包括対象外の分類も含む)の診断群に分類されます(令和2年度診療報酬改定における分類数)。診療科ごとに患者数上位5つの診断群分類について集計しています。ただし、包括対象外となるDPC分類は集計に含まれません。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。

DPCコード

 診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。

名称

 どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。

平均在院日数(自院)

 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

平均在院日数(全国)

 厚生労働省より公表される令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。

転院率

 該当する患者数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。

 

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症などの心臓カテーテル検査 156 3.39 3.06 1.28% 69.39
050050xx0200xx 狭心症などの冠動脈形成術(心臓カテーテル治療) 97 5.62 4.36 1.03% 69.35
050130xx9900xx 心不全の治療  74 17.05 17.35 35.14% 82.18
050210xx97000x 不整脈のペースメーカー手術 39 13.59 10.24 17.95% 82.18
050030xx97000x 急性心筋梗塞の冠動脈形成術 19 13.68 11.87 0% 66.00
 循環器内科の最も多い症例は狭心症などに対する心臓カテーテル治療のための入院、および治療前、治療後の心臓カテーテル検査のための入院で、合わせて循環器内科の集計患者数の約3割を占めます。なお、心臓カテーテルによる治療は狭心症だけではなく、心筋梗塞などの症例でも施行されます。
 患者数が次いで多いのは心不全の治療となります。心不全の患者さんの平均年齢は82歳ほどで、後期高齢者の患者さんが多くなっていることが分かります。このような患者さんの3割強は当院での治療後、転院して継続治療やリハビリをされています。
 ペースメーカー手術は新規の移植術だけでなく、ペースメーカーの電池消耗による電池交換術も含まれます。
内分泌・糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病の血糖コントロール インスリン注射あり 63 14.67 14.41 7.94% 67.60
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、副腎腫瘍などの検査、治療 45 9.02 6.66 0% 61.87
100202xxxxxxxx 副腎クリーゼの治療 25 8.80 10.38 4.00% 51.84
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトーシスの治療 20 14.75 13.25 15.00% 61.25
100250xx99x20x 下垂体機能評価の負荷試験 12 8.33 4.42 8.33% 42.08
 内分泌・糖尿病内科の入院患者で最も多いのが2型糖尿病の血糖コントロール、合併症精査、教育入院です。チーム医療により、総合的な治療、療養指導が可能になっています。また、外科、眼科などの手術前に血糖コントロール目的で入院することもあります。
 次に多いのが副腎腫瘍(偶発腫を含む)の診断、治療をはじめとする内分泌疾患の検査、治療入院です。脳神経外科、泌尿器科、耳鼻いんこう科と連携して当院において治療を完結させることができるようになっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺癌の検査 50 4.42 3.30 2.00% 71.16
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の治療 31 18.09 18.42 9.68% 71.55
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎の治療 17 16.24 20.57 58.82% 83.29
040040xx99041x 肺癌の化学療法(CDDP+vp-16療法等) 15 12.40 14.96 6.67% 78.07
040110xxxxx1xx 間質性肺炎の治療 抗線維化薬あり 15 15.53 19.49 0% 76.67
 呼吸器の癌として最も多いのが肺癌です。呼吸器内科では、診断のための気管支鏡検査を目的とした入院や化学療法(抗がん剤治療)目的の入院などがあります。
 指標には間質性肺炎・誤嚥性肺炎の治療が挙がっていますが、呼吸器内科の肺炎に関する症例で多いのは細菌性肺炎が63件あります。その細菌性肺炎が症例数5位に入っていないのは、細菌性肺炎に関連するDPC分類が細分化され、症例数が振り分けられているためです。市中肺炎のデータに関しては、「指標4.成人市中肺炎の重症度別患者数等」もご参照ください。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 大腸ポリープの内視鏡的治療 432 3.09 2.65 0% 66.37
060340xx03x00x 胆石、胆管炎の治療 206 9.66 9.21 12.14% 72.66
060020xx04xxxx 胃癌の内視鏡的治療 94 8.16 7.96 0% 71.13
060335xx97x00x 胆のう炎、十二指腸乳頭部腺腫の内視鏡的治療 58 13.29 16.99 15.52% 73.29
060060xx9710xx 胆管癌、胆のう癌の治療 52 14.56 12.97 15.38% 79.58
 消化器内科の最も多い症例は大腸ポリープの内視鏡的治療になります。ほぼ2泊3日の入院で、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)によるポリープ切除治療を受けていただいています。
 次いで多い症例が胆石や胆管炎といった胆道疾患になります。胆石で胆管が詰まって炎症を起こすなどが典型的な症例で、胆管をチューブで広げる、胆石を除去する、膿瘍を取り除くなどの治療が内視鏡を用いて、もしくは、経皮的に行われます。
 他に消化管の内視鏡的治療の一例として、胃癌に対する治療があります。早期胃癌に対して上部消化管内視鏡(胃カメラ)を用いて治療を行います。内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)が主な治療方法となっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかんの治療 29 1.00 7.22 0% 7.17
040090xxxxxx0x RSウイルス気管支炎の治療 27 9.59 5.83 0% 1.94
040070xxxxx0xx RSウイルス肺炎の治療 21 5.95 5.95 0% 1.30
060380xxxxx00x 急性胃腸炎の治療 14 7.43 5.53 3.70% 3.85
080270xxxx1xxx 食物アレルギーの検査 12 7.33 2.13 0% 2.63
 小児科で最も多い症例は小児に発病するてんかんの治療です。特別な治療が不要なケースもありますが、多くの場合は正確な診断と抗てんかん薬の服用等による治療を行います。
 次いでRSウイルス気管支炎、RSウイルス肺炎といった小児呼吸器疾患の症例が多くなっています。患者さんの平均年齢が1歳~3歳ほどであり、小さなお子さんの呼吸器治療の重要性がわかります。
 小児患者は転院するケースが少なく、退院後はかかりつけの医院にフォローをお願いすることが多いです。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 大腸癌の手術 45 18.44 15.76 13.33% 70.80
060020xx02xxxx 胃癌の手術 41 19.93 18.34 7.32% 70.59
060330xx02xxxx 胆のう結石症の手術 35 10.00 6.25 2.86% 61.54
060160x001xxxx 鼠経ヘルニアの手術 29 7.38 4.74 0% 70.97
060150xx03xxxx 急性虫垂炎の手術 22 6.18 5.40 0% 46.18
 外科では消化器疾患や一般外科の手術、手術前および手術後の化学療法(抗がん剤治療)、手術後の定期的なフォローなど治療部位や治療内容ごとに多種多様な症例が存在します。指標にはその一部として大腸癌、胃癌の手術が挙がっています。
 また胆のう炎、胆石症などの胆道疾患の手術として、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行い、鼠径ヘルニアの手術として腹腔鏡下ヘルニア手術を行っています。
呼吸器・乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺癌の手術 35 17.49 10.47 2.86% 73.09
090010xx010xxx 乳癌の手術(全切除) 31 15.48 10.15 9.68% 70.35
090010xx02xxxx 乳癌の手術(部分切除) 25 6.68 5.88 0% 65.28
090010xx99x4xx 乳癌の化学療法(DOC療法等) 23 3.04 3.94 0% 63.74
090010xx99x30x 乳癌の化学療法(ddAC療法等) 18 4.61 6.55 0% 66.67
 呼吸器・乳腺外科では肺癌の手術が最も多く、早期肺癌に対して胸腔鏡手術を行っており、痛みが少なく、回復が早いため早期の退院が可能となっています。また進行肺癌に対しても呼吸器内科と協力し、集学的治療(抗がん剤、放射線+手術)を行っています。
 次いで乳癌の症例が多くなっており、手術、放射線、抗がん剤(分子標的薬剤を含む)を組み合わせた集学的治療を実施しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨骨折の手術 91 20.85 25.32 90.11% 82.29
160760xx97xx0x 前腕骨折の手術 50 7.72 4.99 10.00% 49.80
160610xx01xxxx 肩腱板断裂の手術 45 14.64 16.66 95.56% 67.27
07040xxx01xxxx 変形性股関節症の手術 38 20.71 20.63 78.95% 69.03
070230xx01xxxx 変形性膝関節症の手術 32 23.75 23.02 81.25% 77.44
 手術が必要な骨折による入院患者さんが多く、大腿骨骨折や前腕骨折などの病名が挙げられます。平均年齢を見ると、大腿骨の骨折は高齢の患者さん、前腕の骨折は若い世代の患者さんが比較的多く含まれることが分かります。
 高齢の患者さんが転倒などで大腿骨を骨折された場合、在院日数が比較的長くなることが多いです。高齢の患者さんの多くが手術後に継続リハビリを目的として、リハビリ治療をより専門とする病院に転院されています。その一方、若い患者さんがスポーツや事故などで前腕などを骨折された場合は、手術を行い比較的短期間の入院で自宅に帰られる傾向が見られます。
 
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 脳動脈瘤の検査 116 5.09 2.99 1.72% 62.40
010030xx03x0xx 脳動脈瘤の手術 56 9.91 9.35 1.79% 60.07
010230xx99x00x てんかんの治療 54 9.37 7.22 14.81% 62.57
010040x099000x 視床出血の治療 50 20.28 18.90 54.00% 66.80
160100xx99x00x 頭部外傷の治療 50 8.80 8.30 20.00% 57.12
 脳神経外科では、脳動脈瘤に対する検査のための入院が最も多い症例となっています。脳動脈瘤とは、脳の血管に瘤が出来る病気で、この瘤が破裂するとくも膜下出血を起こしてしまいます。脳動脈瘤が破裂する前に検査、治療を行い、出血を防ぐよう努めています。検査入院では脳血管造影などを用いて、手術前の脳動脈瘤の状態を確認し、治療方針を計画します。
 脳動脈瘤の治療としては、脳血管内手術が多くなっています。手術後一定期間が経ってから、脳動脈瘤の再発がないかなどを確認するために、再度検査入院をすることもあります。
 脳梗塞のデータに関しては、「指標5.脳梗塞の患者数等」もご参照ください。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺癌の検査 52 2.23 2.50 0% 72.60
110070xx03x0xx 膀胱癌の経尿道的手術 23 10.43 7.02 0% 75.43
11012xxx020x0x 尿路結石の経尿道的尿路結石除去術 20 9.20 5.56 0% 59.80
110310xx99xxxx 尿管癌の化学療法 17 13.18 13.14 17.65% 81.24
11012xxx04xxxx 尿路結石の体外衝撃波結石破砕術治療 14 2.14 2.59 0% 61.79
 泌尿器科では前立腺癌の検査入院が最も多くなっており、針生検による1泊2日の検査入院です。
 次に多いのが膀胱癌の経尿道的手術目的の入院が挙がっています。膀胱癌の手術には経尿道的手術の他に開腹手術が施行されることもあります。また、手術後に切除された病変の病理診断結果を勘案して推奨される2度目の経尿道的手術なども行っています。
 続いて多いのが尿路結石(尿管結石や腎結石)の治療を受けられる患者さんです。術式によってDPC分類が分かれていて、レーザーなどを用いて結石を破砕する経尿道的結石除去術や衝撃波で結石を砕く体外衝撃波結石破砕術があります。患者さんの状況に合わせて、術式を決定しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障の手術(両眼) 193 6.19 4.83 2.07% 76.19
020110xx97xxx0 白内障の手術(片眼) 134 4.28 2.71 0% 73.63
020160xx97xxx0 網膜剥離の手術(片眼) 96 9.03 8.48 0% 58.07
020200xx9710xx 黄斑円孔、網膜前膜の手術 47 7.60 6.14 0% 67.00
020220xx97xxx0 緑内障の手術 19 7.31 5.41 0% 71.32
 眼科の入院はほとんどが手術目的で、特に白内障の手術目的の入院が最も多くなっています。令和3年度における両目の白内障の患者さんは、おおよそ5~6日の入院で片目を手術した2日後にもう一方の眼の手術を受けていただいています。片目の白内障手術が必要な患者さんは、おおよそ3~4日の入院で手術を行うことが多いです。
 白内障以外の疾患としては、網膜剥離や黄斑円孔などの網膜硝子体疾患があります。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 慢性扁桃炎、アデノイド増殖症の治療 44 7.68 7.84 0% 14.39
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎の治療 43 6.95 6.47 0% 56.79
030390xx99xxxx 顔面神経麻痺の治療 28 5.61 9.01 0% 67.61
030428xxxxxxxx 突発性難聴の治療 27 9.04 8.75 0% 58.81
030240xx99xxxx 急性喉頭蓋炎の治療 18 6.28 5.71 0% 54.06
 耳鼻いんこう科で最も多い症例は慢性扁桃炎、アデノイド増殖症で、口蓋扁桃摘出術やアデノイド切除術を行う患者さんになります。この症例の平均年齢は14~15歳となっています。
 その他、慢性副鼻腔炎などの鼻副鼻腔、口腔・咽頭領域の疾患が挙げられています。
救急科
 救急科は救急医療を専門的に行う診療科として、心肺停止症例や重症中毒症例などに対応します。
 救急科の集計対象となる件数は10未満であり、数値、各項目は表示しません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

 5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。「初発」とは、当院において、その癌の診断あるいは初回の治療を実施した場合を指します。「再発」とは、当院もしくは他院で初回治療が完了した後に当院にて診療する場合や、治療後に再発、再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。集計は、令和2年度中に退院した延患者数となっています。つまり、集計対象期間中に複数回入院された患者さんは複数例としてカウントしています。

UICC病期分類

 国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

 

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 108 10 15 16 16 60 1 8
大腸癌 64 56 64 27 - 54 2 9
乳癌 35 41 20 25 - 10 1 8
肺癌 27 - 18 43 52 72 1 8
肝癌 18 18 11 - - 51 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院は消化器内科では胃癌、大腸癌、肝癌の患者さんを、呼吸器内科では肺癌の患者さんを主に診療しています。また、外科では胃癌、大腸癌、肝癌を、呼吸器・乳腺外科では肺癌、乳癌の診療を行っています。
特に胃癌は早期であるⅠ期の患者さんの割合が高くなっています。これは、早期発見、早期治療により、内視鏡的治療といった比較的患者さんへの負担の少ない治療が可能となっていることが表われていると言えます。また、Ⅲ期やⅣ期といった患者さんの数も少なくはなく、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた治療を実施しています。
大腸癌、乳癌、肺癌のⅣ期の患者さんのなかには、数週間~1ヶ月ごとに化学療法目的の入院を繰り返す方がいらっしゃいます。今回、延患者数による集計を行ったため、大腸癌や肺癌のⅣ期の割合が比較的高くなっています。
胃、大腸、肺の各癌の手術治療について、当院では開腹、開胸する手術よりも、腹腔鏡や胸腔鏡を用いた患者さんの負担が比較的少ない手術の件数が多くなっています。
肝癌は治療後に再発することが多い病気です。当院の患者さんも肝癌初発治療後の再発として、入院治療される方の割合が高いことが分かります。
なお、UICC病期分類が不明に分類されている症例については、治療前の検査入院に該当する患者さんが多くなっています。これは、入院中に検査結果が出ていない場合や、遠隔転移の有無の評価を退院後に行う場合などで、当該入院中にUICC病期分類が決定できなかったことが理由です。特に肺癌の検査入院ではその傾向があります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

 成人の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システムを用いています。患者さんの①年齢、②脱水、③呼吸、④意識障害、⑤収縮期血圧のそれぞれの状態を因子とし、軽症・中等症・重症・超重症の4段階に分類します。

 この指標では細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。また、成人の肺炎の指標なので、小児肺炎も集計対象外となります。

市中肺炎

 病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎(成人市中肺炎診療ガイドラインより)のことです。

平均在院日数

 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

 

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 23 13.91 75.70
重症 19 19.58 85.84
超重症 - - -
不明 - - -
 患者数が最も多いのは中等症です。重症度が上がるごとに治療の日数が長くなる傾向にあります。
 中等症~重症では平均年齢が後期高齢者の年齢層になっており、市中肺炎は年齢が上がるごとに在院(入院)日数が長期化しています。
 同ガイドラインでは軽症は外来治療が推奨される重症度となっており、入院加療の適応ではないことがあります。しかし、軽症の患者さんであっても慢性疾患があったり、癌の既往があったりして重症化を危惧され入院となるケースもあります。
 なお、重症および超重症の患者さんの約8割が救急車によって搬送されています。
 主に呼吸器内科にて、重症肺炎患者さんの救急受け入れを行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

 脳梗塞の患者さんを集計しました。

平均在院日数

 病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。

転院率

 該当する患者数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。

 

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 237 19.89 74.49 44.30%
その他 36 17.08 74.08 33.33%
 脳梗塞の患者さんの集計なので、ほとんどが脳神経外科に入院された患者さんになります。特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞が集計対象の9割近くを占めます。
 脳梗塞の患者さんの平均年齢は74歳ほどで、高齢者の方が多くなっています。平均して20日間前後の入院期間で治療とリハビリを行い、自宅もしくは施設に帰られており、また4割ほどの患者さんは継続リハビリのために、よりリハビリを専門とする病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

 診療科ごとの主要手術について患者数上位5つを集計しています。手術(処置)のなかで輸血、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は集計対象外となっています。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。

Kコード

 手術術式の点数表コードです。

名称

 手術術式の名称です。

平均術前日数

 入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

平均術後日数

 手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。

転院率

 該当する患者数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者さんの割合です。

 

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 87 2.95 3.30 2.30% 68.78
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 24 3.21 9.67 16.67% 77.33
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 18 2.11 2.00 0% 72.72
K597-2 ペースメーカー交換術 16 2.44 9.19 6.25% 86.00
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 14 1.57 2.79 0.00% 66.21
 循環器内科では、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)に対する経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術という心臓カテーテル治療の患者数が多くなっています。心臓カテーテル治療は、腕や足の血管から心臓まで管を通して病変を治療する方法です。即日入院して緊急で行う場合や検査と同時に行う場合、検査から日数を空けて行う場合、検査後に一旦退院して再入院して行う場合など患者さんの状況に合わせて様々なタイミングで手術が行われます。
 ペースメーカー移植術は、不整脈の治療として行われる手術です。ペースメーカー装置を前胸部に植え込み、リードを右心房や右心室に留置して、不整脈を補正します。ペースメーカーの電池が消耗しているなどの理由で交換が必要なときに行われるのが、ペースメーカー交換術です。
内分泌・糖尿病内科
 内分泌・糖尿病内科の集計対象となる件数は10未満であり、数値、各項目は表示しません。
呼吸器内科
 呼吸器内科の集計対象となる件数は10未満であり、数値、各項目は表示しません。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 382 1.04 1.08 0% 66.55
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 203 1.41 9.63 16.75% 76.06
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 91 1.02 6.21 0% 71.46
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 78 1.00 5.48 0% 69.49
K735-2 小腸・結腸狭窄部拡張術(内視鏡によるもの) 65 3.43 2.58 0% 50.40
 消化器内科では、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の患者数が最も多くなっています。大腸ポリープ治療目的の2泊3日入院が典型的な症例です。また、この類の手術は腫瘍の部位や大きさによって細分化されています。
 内視鏡的胆道ステント留置術は胆道疾患に対して行われる手術です。これは様々な病態で狭窄した胆道にチューブを通して拡張し、胆汁の流れを良くする手術です。この手術は、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術などの他の手術の前段階として行われることも多く、術後日数が長くなる傾向にあります。
 早期胃癌に対して、内視鏡で行う治療が内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)です。消化器内科では消化器癌の早期発見を行い、早期治療の適応を判断するよう努めています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 59 7.03 16.22 13.56% 70.88
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 57 2.11 6.61 3.51% 59.84
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 30 6.20 14.40 0% 70.27
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 25 2.20 4.20 0% 69.80
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 21 0.43 4.52 0% 44.00
 外科では腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術が最も多くなっています。大腸癌に対する手術になり、腹腔鏡下で手術を行うことで、開腹手術に比べると患者さんの負担が少なくなります。
 腹腔鏡下胆嚢摘出術は胆嚢炎や胆石症などの胆嚢疾患に対する手術です。急性胆嚢炎に対する治療方針は、東京ガイドライン2018に沿って決めています。胆嚢摘出術は腹腔鏡下で行うことが多く、手術に対する患者さんの負担をできるだけ少なくするように努めています。
 腹腔鏡下胃切除術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術、腹腔鏡下虫垂切除術も同様です。外科では、積極的に腹腔鏡を用いた手術を行っていることが指標から分かります。
呼吸器・乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 24 1.46 4.21 0% 64.96
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 19 2.21 11.42 10.53% 73.42
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 19 4.47 13.79 11% 76.21
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 16 0.31 2.69 0% 63.50
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 11 3.72 9.82 0% 71.82
 呼吸器・乳腺外科では乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術が最も多くなっています。乳房を全摘出することなく、乳頭、乳輪を残した上で、がんを周囲の正常乳腺を含めて部分的に切除し、乳房の変形が軽度になるように形を整える手術です。
 また肺癌に対する胸腔鏡下手術も多く、胸腔鏡下で手術を行うことで、手術に対する患者さんの負担をできるだけ少なくするように努めています。
小児科
 小児科の集計対象となる件数は10未満であり、数値、各項目は表示しません。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 111 4.16 15.42 80.18% 77.68
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 88 1.89 18.57 82.95% 73.31
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術 簡単なもの 53 1.81 12.25 96.23% 66.09
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 43 4.56 7.23 23.26% 51.19
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 37 4.38 15.57 94.59% 80.08
 整形外科では上腕骨、大腿骨の骨折に対する手術や関節を人工関節に置き換える手術が多くなっています。骨接合術や人工関節置換を行うことで早期離床を目指しています。大腿骨転子部・頚部骨折においては、提携病院との間で円滑な連携を行えるように努めています。
 肩腱板断裂手術に関しては、特に関節鏡視下で行う手術がほとんどで患者さんの体への負担が比較的少なくて済むように努めています。
 多くの手術は術後急性期が過ぎたあと、転院してリハビリを継続していただくことが多くなっています。そのため、整形外科では転院率が高くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1783 脳血管内手術 脳血管内ステントを用いるもの 43 3.19 7.37 4.65% 60.70
K1781 脳血管内手術 1箇所 37 2.35 17.22 13.51% 59.89
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 31 1.45 20.00 35.48% 78.10
K178-4 経皮的脳血栓回収術 22 0.27 29.50 63.64% 79.59
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む) 椎弓形成 14 5.00 14.21 21.43% 75.00
 脳神経外科で最も多い手術は脳血管内手術です。大腿の血管から脳まで管を通して病変を治療する方法です。脳動脈瘤に対するコイル塞栓術が主な症例になります。脳血管内手術は脳血管内ステントを用いるかどうかで集計が分かれます。脳血管内ステントは、動脈瘤頸部の広い脳動脈瘤の治療時に親動脈にステントを留置し、塞栓したコイルが親動脈に落ちるのを防ぐためのものです。
 次いで多いのが慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫に対して、頭蓋から血腫を洗浄除去する手術です。高齢の患者さんの割合が高く、入院後緊急での手術となることも少なくありません。手術後の状態が落ち着くと、継続治療およびリハビリのために転院する患者さんが3~4割ほどおられます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 32 1.31 10.34 9.38% 71.56
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 その他のもの 27 2.59 6.89 0% 75.52
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 18 2.61 5.67 0% 60.67
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 14 0 1.14 0% 61.79
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 - - - - -
 経尿道的尿管ステント留置術、経尿道的尿路結石除去術は腎臓と膀胱をつなぐ管である尿管が腫瘍、結石など何らかの原因で狭くなったり、塞がってしまったりする状態を改善するための治療です。
 膀胱悪性手術 経尿道的手術は膀胱癌に対する手術です。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。開腹による腫瘍切除手術に比べて患者さんの体への負担が少ない治療方法です。
 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術は尿路結石を衝撃波により細かく砕き、体外への排出を容易にするための治療です。入院当日に治療を行い、翌日に退院となる症例が多いです。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 301 1.26 3.15 1.66% 74.61
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 105 1.43 6.02 0% 63.70
K281 増殖性硝子体網膜症手術 39 2.44 7.03 0% 58.33
K2682 緑内障手術 流出路再建術 25 1.24 4.40 0% 73.00
K284 硝子体置換術 16 1.00 5.31 0% 59.81
 眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術が集計対象手術件数の5割強を占めます。大部分の方は入院翌日に手術を受けて頂ける体制を整えています。術後は落ち着きましたら、早期の退院を目指しています。
 次いで挙げられるのが、硝子体茎顕微鏡下離断術です。増殖糖尿病網膜症や網膜剥離、黄斑円孔などの網膜硝子体疾患に対する手術です。白内障手術併施の硝子体手術を積極的に行っています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 42 1.00 6.36 0% 17.05
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 24 1.29 4.29 0% 57.63
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 19 1.00 5.37 0% 56.32
K347-5 内視鏡下鼻腔手術I型(下鼻甲介手術) 13 1.00 3.54 0% 33.54
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術I型(骨、軟骨手術) - - - - -
 耳鼻いんこう科の手術で最も多いのは、慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術です。扁桃炎にアデノイド増殖症を伴う場合は、アデノイド切除術を同時に行うこともあります。小児期の患者さんに行うことが多い手術です。
 内視鏡下鼻・副鼻腔手術は主に副鼻腔炎に対する手術です。鼻から内視鏡と器具を挿入して、閉鎖した副鼻腔を開放し、鼻腔と交通をつけます。
救急科
救急科の集計対象となる件数は10未満であり、数値、各項目は表示しません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

 DIC(播種性血管内凝固症候群)、敗血症、真菌症、手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しました。

DPC

 14桁あるDPCコードのうち、6桁で集計しています。DPCコード6桁とは病名による分類を表しており、治療方法は分類に関連しません。

DIC(播種性血管内凝固症候群)

 感染症などによっておこる全身性の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。

敗血症

 感染症によっておこる全身性炎症反応の重症な病態です。治療に大きな医療資源が投入されるため、該当するDPCで高額な点数が設定されています。

その他の真菌感染症

 真菌による感染症です。

手術・処置等の合併症

 手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。合併症はどのような術式でもどのような患者さんでも一定の確率で起こり得るもので、医療過誤とは異なります。

入院契機

 DPCコードにて分類される包括請求の対象となる病気(DPC病名)とは別に、入院の契機となった病気(入院契機病名)がそれぞれの入院患者さんにつけられています。DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。「同一」ということは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表します。一方「異なる」ということは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に発症した違う病気(この指標の場合は、DIC(播種性血管内凝固症候群)や敗血症、手術・処置等の合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。

発生率

 全入院患者さんのうち、該当するDPCで入院費の請求となった患者さんの割合です。

 

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 13 0.16
180010 敗血症 同一 - -
異なる 14 0.17
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.33%
異なる 15 0.18%
 DIC(播種性血管内凝固症候群)や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねないDPC病名とされています。
 当院ではDPCを播種性血管内凝固症候群とする際は、臨床的に根拠のある診断を基に投入された医療資源を勘案して、入院医療費請求を行うよう努めています。
 播種性血管内凝固症候群および敗血症について、DPC病名と入院契機病名が異なる場合の入院契機病名として挙げられるのは、癌、呼吸器疾患、消化器疾患などでした。癌や感染症により入院した後も全身状態が悪化し、播種性血管内凝固や敗血症といった重症な病態になってしまった症例です。

 手術・処置等の合併症については、ほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一である症例でした。つまり、手術・処置などの合併症を主訴として入院され、治療を受ける入院患者さんが多いということです。
 手術・処置等の合併症にあたる症例としては、胃や大腸の内視鏡的治療後の消化管出血、人工関節置換術後の人工関節のゆるみ、COVID-19予防接種副反応などがありました。
 手術や処置等は合併症を起こさないように細心の注意を払って施行しています。しかし、合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2022年9月29日
令和3年度版病院指標を公開しました。